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絵を振り返る③〜現在そして未来〜

したら領|まんが

■前回


■始めに
僕はコルクスタジオという作家と編集のコミュニティに所属している。
その中で「ここ数年の自分の絵を振り返ってみよう」という話が出た。3年前・1年前・現在という時間軸で。

面白そうだし良い機会なので、参加してみることに。今回は〈第三回〉。語るのは現在、そして未来。

■今の自分に足りないもの

ティラノ部長の連載を終えたのが、今年2022年3月。そして4〜9月の自分は次回作を描くため。暗中模索していた。

抽象的で寓話的に偏りがちな自分の作品に、もっと具体的な要素を入れ込みたかった。現実と物語を接続させたかった。そのためにどうすべきか。

とりあえず、たくさん描こうと思った。そして様々な作品を描いた。例えば…
これとか↓

これとか↓

これとか↓

これとか↓

これとか↓

これとか↓

色々描いた。
どれも長くは続かなかった。最初「面白いかも」と描き始めても「何か違う」となったからだ。僕はよく「作家性が強い」的なことを言われる。「描きたいものが明確で良いね」と言った言葉も。

しかし僕は自分の描きたいものが何のか、よく分かっていなかった。描きたいもの自体はたくさんあった。しかしその中のどれが本当に描きたいものなのか。どれに人生を費やせば良いのか、分からなかった。

さらにお金の問題もあった。オリジナル漫画に注力したく、契約形態を変えたのだ。それが8月(だったかな?)。収入が半分以下になる。自分で選んだこととは言え、窮地だ。つまり作品をバズらせる必要があった。noteの購読者を増やす必要があった。書籍の部数が伸びる作品をつくる必要があった。

どんなものが世間に受けるのか考えた。自分のフェチズムと、世間が求めるものの交点に、自分が求める「描きたいもの」が発見できるかもと思った。しかしそう簡単には見つからなかった。

そんな中。ある人にこう言われた。
「最近の君は同じ場所をグルグル回っているように見える。本当に描くべきものをさっさと描きなさいよ。(君にしか描けないものを)」と。

実際は「君にしか描けないものを」とは言われていないんだけど。勝手に解釈した。

何故か分からないが、この言葉が心に残った。
そして頭で反芻するようになった。
さらにある時、ピンと来た。
自分の人生を描こうと思った。

これだけ作品が溢れている世の中で。オリジナリティなど存在しない。もしあるとすれば、それは自分の人生だ。唯一自分だけが、他の誰とも違う。自分は世界に一人だからだ。

自分を描こうと思った。よくよく考えれば、元々僕は内に秘めた思いがたくさんあった。高校の同級生に言いたいことがたくさんある。バイト先のムカつく後輩を殴りたかった。中学校のクラスの好きな女の子に言いたい言葉や、したいことがあった。

でも言えなかった。その抱えたたくさんの、言えなかった、できなかった。を言いたいがために物語を描き始めた。そんな気がした。

ずっと絵が好きで、描き始めたと思っていた。でも伝えたいことがあったから、筆をとったのかもしれない。嘘をつきたくなかった僕は、面と向かって話すのが苦手だった。だいたい嫌われるから。だから大抵誰かの横にいて、人の話を聞いてた。たまに誰かに軽くイジられたりしながら。一人の方が楽だった。

だからあの時の何も言えなかった自分の代わりに、物語で今言いたいことを言いたい。そう今は思っている。僕はイジメられていた訳でもないし。健康に育ってきたし、大学も親のお金で行ったし、虐待された訳でもない。

でも学校にいる間、幸せだと思ったことは、ほとんど無い。集団に属すると居場所がなかった。友達はいたが、居場所はなかった。分かりやすくない、誰にも気づかれないけど、実は居場所が無い。そんな誰かの代弁者になりたい。それは過去の自分もそうだし。今、密かに居場所がない誰かもそうだ。


こうして薄ら、作家性やら、テーマ的なるものが見え始めた。そして「イケダ君は殴りたい」と言う作品を描き始めた。

イケダ君は殴りたい1話ネームより

主人公は高校2年生男子、舞台は学園、テーマは「怒り」「暴力」「思春期」「家族」「誤解」「イジリ」「青春」「夢」……。など。まだ「これ」とは決まっていないが。でも自分の記憶に残っている、中高の思い出。それらを拡大解釈して描くことに決めた。

さらに、この作品がとあるWEBサイトに連載されることが決まった。今はそのための準備をしている。この漫画が、読者の内側にある記憶や感触を呼び覚ますような作品になりますように。


読み返したら、全く絵の話になっていなかった。
まあいいか。
一つ言えるとしたら、今まで怠けていた。「実物を観察して描く」という。ことをそれなりにやろうと試みている。それもこれも、自分が過ごしたあの「学校」。登下校の背景だったあの「団地」。隣にいたあの「ムカつくクラスメイト」。ちょっとだけ仲良くなれそうだったあの「女の子」を。ちゃんと描きたいと思ったからだ。

ではまた次回。
さようなら🌙

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世界中の本を集めた図書館があったとして。きっとその本棚は過去の名作や傑作でいっぱいです。その隙間のちょうど良い所に、自分の作品を差し込んでいけたら、良いなと思います。