まんがができるまで〈ティラノ部長31話〉
↓今回振り返るのは、ティラノ部長31話。
次回、さらなる災難がティラノ部長に降り掛かることが予感させられる、今後が非常に気になるコマでヒキを作っている。
この展開の早さと、次どうなってしまうかのドキドキ感が、ティラノ部長の。鈴木おさむさんの原作の魅力であると思う。
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それではまず、ネーム(まんがの設計図)から見ていこう…と思うのだがネームって何ぞや?と言う読者の方もいると思うので。まずは、ティラノ部長ができるまでの行程を、ざっくりと説明すると。
1、おさむさんから原作を貰う
2、僕がネームを描く(まんがの設計図)
3、線画を描く
4、カラーリングする、完成
である。
まず僕の仕事としては「ネーム」を編集者さんとおさむさんに見せて、OKを貰う必要がある。そして、まんが家としてはこの「ネーム」の部分が腕の見せ所で、ココでより、読者に物語が伝わるように演出をつける必要がある。
演出とは分かりやすいところで言うと、構図を考えたり、キャラクターの表情をイメージしたり、フキダシの位置やセリフを、まんがとして読みやすくする行為だ。
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A【ネーム編】
では具体的な振り返りを早速やっていこう。今回の31話「不穏な噂」では、最初に見せたネームから一度の直しでOKが出た。具体的にどういう意図で、どう直していったかを説明していくと。
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↓まず最初のネームでは、最後のコマ、16コマ目はこんな絵だった。
これでも悪くは無いのだが、前のコマに対して、2コマ同じような構図のコマが並んでいるのが少し気になる。という感想を貰った。
「なるほど、確かに。」感情の変化が伝わりづらくなっているかも、と思った僕は早速ネームを直した。
それがコチラ↓
こちらに顔を向けさせた事で、より悔しさが強調されている。個人的にも良い直しだったと思っている。良かった。
(ちなみに完成稿はこちら↓)
最近はだいぶ、おさむさんとイメージを共有できるようになって来て。修正はそこまでない。大体1〜2コマくらいである。
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B【線画編】
線画…ようはキャラクターや背景の輪郭線の事だが。
サラッと読んでいると、なかなかその変化には気づきづらいと思う。しかし、まんが家としては、一本一本の線に意思を込めて描いている。
この辺りは抽象的になりがちで、説明しづらい部分ではあるのだが、具体例を元に進めてみよう。
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世界の本棚は名作や傑作でいっぱいです。拙い私の作品にどれだけの意味があるのか。もしあるとするなら、それは読者さんたちによって与えられるのだと思います。たくさん作品を生み出して、意味あるものにしていきたい。助力いただけると嬉しいです。