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中学2年、塾の先生のビンタが私にもたらしたもの

先ほど、「殴る」と言うことに関する自分の考えを、Xにポストしました


上のポストにも書きましたが。
私は明確に誰かを殴ったことはありません。

しかし「殴られた」経験はあるので、今回はそのことについて書いてみます。


■中学2年、通っていた塾で若い男の先生から

昔のことで記憶が曖昧、および演出されている可能性があります。特にセリフなどは補足しながら書きました

補足

「殴られた」と書きましたが。正確にはビンタをされました。

しかしかなり強烈なビンタで耳鳴りもしたくらいだったので。感覚としては「殴られた」に近いです。なので私としては四捨五入して「殴られた」経験として記憶に残っています。

生涯忘れることはないのかなと思います。

なぜビンタをされたのか?

これは私が悪くて。塾の授業中に騒いでいたからです。

こう聞くと「そんなことくらいで耳鳴りするほどビンタするなんて酷い」と思われるかもしれませんが。

今思えば、「ビンタされてもしょうがなかったかもな」と思うくらいには、うるさかったんだと思います。

私は、特に幼い頃ほど周りが見えなくなってしまう方で。楽しくなってしまうと授業中だろうが関係なく騒いでしまう性質(タチ)でした。

なので私としては悪気はないのですが。

先生からすると何度も注意しているのに、騒がしいので、かなりムカつくと言うか。問題児に映っていたのでしょう。

言っても分からないなら「手を出す」しかない。

そう思う人がいるのも分かります。

実際に行動に移すかは別ですが。私もここ数年で子供を2人育てる身となったこともあり。子供に対して「大人の理屈」が通じないもどかしさと苛立ちは、日常的に感じています。

語気を強めて、しかってしまうこともあります。

なので今となって、ようやくその時の先生の気持ちが分かるような気がします。(しかも当時の先生は、今の私より年下ですし)

ただ当時の私からしてみたら、晴天の霹靂。
先生をそこまで怒らせているなど知る由もないので。

「次、騒がしくしたらビンタをする」

と言う先生の言葉は、右の耳から左の耳へと流れていました。

そしてその時はきました。急に先生が怒鳴ったのです。

「その場にたてええ!!」(とかだったかな)

先生の怒号が教室に響きます。狭い教室で生徒も7、8人しかいなかったので、本当に響きました。

そこで私はようやく気づくのです。先生の「ビンタするぞ」と言う警告が本気であったことを。


そして先生は言います。「今からをビンタするから舌を噛まないように口を閉じていろ」「周りの奴も、少し離れろ」

めちゃくちゃ怖くて。
その時点で私の目には目が溜まっています。
もう完全に雰囲気に呑まれています。
負け戦です。

「バチん!!!!!」


表現しようのない、今までに聞いたことのない音が、身体中に響きました。私はビンタをされました。

痛いと言うよりも熱い、と言う感じ。

左ほっぺが何倍にも膨れ上がったような感覚(実際には赤く腫れているだけだったかな)

血は…確か出なかったような気がしましたが…(いや…出てたかな?忘れました)

中学まで生きていて一番の、真っ直ぐ向けられた「暴力」でした。

私は一度倒れましたが、立ち上がって、そのまま先生の叱りを聞きました。もちろん泣いていました。喋れる状態ではないくらい。

ほっぺの熱さと涙でグチャグチャで、先生の話はほとんど聞けていませんでしたが。なんとか相槌を打ちながら、聞いていました。

それ以来私が、授業中にうるさくすることはなくなりました。


ただそれは当時の私が先生の気持ちや、状況を「理解」して、静かにしたわけではなく。

うるさくする=殴られると言う図式の元で、自分の危険を回避するために静かになったわけです。


とは言え、その先生の授業以外でも静かになったと思うので。

対外的に見れば、効果はあったのだと思います。

この教育という「暴力」は、私に何をもたらしたのでしょう?

正直分かりません。

別にそれ以来「先生を見ると吐き気がする」とか、「震えが止まらない」などといったトラウマ的なことはないですし。

その後しばらくは普通に通っていたような気もします。

ただ周りに同年代の友達がいる中で「ビンタ」されたこともあって。自分自身の存在が恥ずかしくなってしまったというか。塾という場所の居心地が悪くなった気がします。

なのでそれから2、3ヶ月で辞めてしまったような(この辺記憶が曖昧)

まあとりあえずその塾は途中で辞めました。

そこまでの流れも含めて、先生に対して本当に申し訳なく思ったことを覚えています。


しかしこうして話してみると。
やはり殴った途端に、暴力を振るった途端に、その人は加害者になりますね。

私にも非はあるのですが。ビンタされた瞬間被害者になる。

なんとなくそこに違和感を覚えます。

もちろんそうあったほうが、社会は平和だし。逆よりもずっと良いのは分かるし。私自身、非暴力な社会の恩恵を受けて生きているので、それで良いとも思うのですが。

だからと言ってやりすぎると、それはそれで別の歪みが生まれる気がします。

「社会制度を暴力に対して優しくしろ」とはまったく思わないですが。だからこそ。作品内で暴力に対するグラデーションというか、ニュアンスを表現したくなるのかもしれません。


「池田くんは殴りたい」を描いている中で、何か見つけれたら、良いなと思います。


実はここ2週間くらい、家族全体で体調が悪くて。「おまけ」で見せれるほど原稿が進んでおりません。

(詳しくはサブアカを参照↓)


なので以前も2話まで「おまけ」で公開しましたが。

「ポレンと嫌われた花」という、未完結の(またかい)作品を載せようと思います。

次回作を暗中模索していた2年前に描いた過去作です。5話くらいまで描きました。

■「ポレンと嫌われた花」1〜3話

前回どの記事におまけとしてつけたのか忘れてしまったので、一挙に1話から3話まで載せます。

■1話


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ここはしたら領の創作の土台。ここの活動費をベースに漫画を描き続けることができています。(いつもありがとうございます) 私は死ぬまで創作します。人間の感情を絵と言葉で捉える研究をします。購読して頂けるととても嬉しいです。

世界のどこよりも早くオリジナル連載漫画の「先読み」ができます。時々「あとがき」も書きます。創作の裏側がのぞけます。

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