エドワード・ゴーリーの魅力について語ろう
〜「むしの本」編〜
■前談:ゴーリーという作家を簡単に
エドワード・ゴーリー、私の憧れの作家です。
何とも言えない、唯一無二の不思議な作家。
簡単に語れるはずもないのですが。
ちょっと、やってみます。
(こんなサイトもありました↓)
ゴーリーの作品は、基本的に不条理な話が多いです。
例えば…
ゴーリーの物語は、因果応報的なバランスは取られないまま、悲劇だけが淡々と起きていきます。
でも、ただただ悲しかったり、悲惨なだけの話かと言うと、そうでもなくて。
可愛らしさや、ユーモラスな雰囲気も漂っています。そのバランスの妙が、ゴーリーのゴーリーたる所以。
そのバランスを成している中核にあるのは、ゴーリーの絵です。陰鬱だけれど、優雅な筆致。矛盾が両立しています。卓越した絵の証拠です。
だからこそ世界中にカルト的なファンがいるのだと思います。
■本題:「むしの本」とは
まさに、このnoteのサムネにいる「むし」たちが、「むしの本」の登場人物。
3色鮮やかな「むし」たち。とても可愛らしいですね。アリに近い何か。
どんなお話かと言うと…
まず、3色のむしたちが、それぞれの個性を持ちながら、仲良く暮らしています。するとそこに、黒い大きなむしがやってきます。
そして…
こうなってしまいます。
「うまく いきませんでした」が最高ですね。
ここから、黒いむしvs3色のむしたち、の図式ができます。
両者の行方はどうなるのか…?
と、言った話です。
終わり方も最高で、余韻が残ってとても好きです。
寓話的なお話でもあるため、色々な比喩に読み替えることもできて、深読みが楽しい作品です。(ゴーリー作品は大抵そうですが)
「むしの本」はゴーリーの初期作品です。
ゴーリーの中でも、少し変わった立ち位置の作品になっています。ここまで分かりやすく寓話的という意味でも、色がのっているという意味でも。
モノクロの作品がほとんどですから。
しかしこれは、どこかで読んだのですが。
ゴーリー自身、モノクロにこだわっていた訳ではなく。費用の関係でモノクロで出版することが多かったようです。
色をのせれるなら、のせたかったみたいです。
しかし私はこの「むしの本」、ゴーリートップ3に入ります。ゴーリーのこんな作品ももっと見てみたかった。
こんな気持ちに時々なります。
「あの憧れの作家の、あの部分をもっと見たい」
そういった気持ちが、自分の創作意欲を一つの源泉だったりします。
…以上。むしの本の紹介でした。
興味を持たれた方はぜひ。
ついでに、個人的な「ゴーリー作品一冊目」のおすすめは。
上記にも紹介した三冊と
この二冊です。
今日やった仕事は
・池田くん14話の線画(4P半)
・「ラルフとワンダの冒険」2話のネーム(4P)
■池田くんの線画
みんなそれぞれ本棚を持っていて、私も私の本棚を持っています。すでに名作や傑作でいっぱいの本棚に「自分の作品を差し込みたい。」それが私の挑戦です。たくさん作品を生み出して、トライしていきます。助力いただけると嬉しいです。