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シン・エヴァンゲリオン劇場版:||を観た。

漫画家(32)の感想です、ネタバレあります。

映画を見終わった後、「ありがとうございました。」という気持ちになった。こんなにもお疲れ様でした、という気持ちにさせられる映画も珍しい。

僕はそこまで熱烈なファンではないが、映画館を出た後、何かがこの世界から無くなったような気がした。それは悲しいとも寂しいとも違って、「終わったんだなあ…」と、何だかとても感慨深かった。僕も、エヴァンゲリオンがある世界を、生きてきたのだ。

初めてエヴァンゲリオンに出会ったのは、おそらく、小学3年生の頃。

当時、家の書斎の棚に、録画されたミニテープが整理され、並んでいた。父親のコレクションだ。その中に、「エヴァンゲリオン」の文字が混じっていた。少し手を伸ばし、棚から取り出して再生すると、見慣れないアニメーションが始まった。

何だか少し悪いことをしているような、大人の趣味を覗き見ているような気分だった。子供の目線でも分かる、何かが明らかに突出している作品。途中、抜けていた回もあったので、飛び飛びで観た。よく分からない所もあったが、何だか面白い、夢中で観た。

やはり小学生としては、戦闘シーンがカッコ良かったのと、たまにあるエッチなシーンが脳裏に残った。碇シンジが綾波レイの部屋を訪ね、彼女に覆い被さる回は、衝撃的だった。その他にも、ロンギヌスの槍を投げつけるシーンが好きで、繰り返し何度も観た記憶がある。

好きな機体は、量産型エヴァ、あの神と悪魔が混じった様なデザインが好きだ。唯一無二であるはずのエヴァが量産されている、しかもそれが、強くて、敵側にまわるというロマン。痺れた。

その後も、何となくエヴァのことは好きだった。けれど、そこまで熱烈なファンという訳ではなく。大学生くらいまで「スーパーロボット対戦」の中で、ちょくちょく顔を合わせていた程度である。考察にハマる訳でもなかったし、グッズを買うこともなく、過ごしていた。

それでも、新劇場版が始まるという話題を耳にした時、心が高鳴った。

今の時代の、新しいエヴァンゲリオンが観れると、期待した。なので、「序」でTVシリーズの焼き直しであることを知った時は、それなりにガッカリした。だからこそ「破」で違う世界線のエヴァであることを予感した時は、とてもワクワクした。

「破」はとてもエンターティメントに出来ていたし、内面に深く潜るような、抽象的なシーンもなかったので、分かり易かった。しかしその分、物足りなさもあった。「破」を観終わった後、ここから、どうやって終わらせるんだろう?と思った。

そうしたら「Q」では終わらなかった。

庵野監督がまた、迷い初めたのだろうか。

エヴァンゲリオンが面白いのは、これだけ巨大な作品でありながら、その中身はとても私的な映画である所だ。エヴァンゲリオンを観ている時、常に後ろに庵野監督を感じる。シンジ君は庵野監督の分身だ。レイ、アスカ、マリ、彼を取り巻くヒロインたちは、庵野監督がこれまで通ってきた、女性たちの投影に見える。

マリ=安野モヨコ(今の監督の奥さん)という考察もある。考察というか、庵野監督周辺の人間関係を知った上で観たら、多くの人がそう感じるだろう。

我々は、エヴァンゲリオンを観ながら、庵野監督の現状を見ているのだ。

「庵野監督、がんばれ!」

そんな気持ちになる。

いつの間にか庵野監督を応援している。もしかしたら、監督に近い人間は大変なのかもしれないが。遠くから見ている分には、そう思う。

だから今回で、エヴァンゲリオンが終わると知った時、「いよいよか…」という気持ちになったし、観終わった後、「ありがとうございました。」と素直に思った。

25年余りを費やし、シンジ君は中学生から脱皮した。その姿はおそらく庵野監督自身の心の有り様と重なるのだろう。安野モヨコさんがマリであるなら、最後、大人になったシンジ君とマリが2人で走り出したのは、エヴァンゲリオンの終わり、厨二病からの脱出である。

エヴァンゲリオンを終わらせた庵野監督が、今後どんな作品を創っていくのか楽しみだ。しかし、またすぐに中学生に立ち戻って、エヴァの様な作品を創り始める気もする。何にせよ次作の「シン・ウルトラマン」が待ち遠しい。

「シン・ゴジラ」のように、作品と程よい距離感を保ちつつ、傑作を産み出すのか。はたまた、エヴァのように距離感0で私的な映画になるのか。どちらでも、面白そうだ。

個人的には、庵野監督が苦しむ姿は、もうあまり見たくない。なので少し作品と距離をとりつつ、傑作を産み出してくれたなら、嬉しいのだが。しかしそれは、蓋を開けてみなければ分からない。

「シン・ウルトラマン」のウルトラマンは、巨大な庵野監督なのか。胸にカラータイマーがないのは、何故なのか。劇場公開を座して待とうと思う。

劇場に入る時、特典?のようなものを貰った。せっかくなので記念に模写してみた。

これは人によって、貰える種類が違うのだろうか。僕はアスカだった。

アスカ


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したら領|絵本まんが

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