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髭は伸びる、自意識と美意識をこえて


私には髭が生えている。
生きているのだ当然のことである。

伸びるものは伸びる
生えるものは生える

3、4年前。
髭脱毛をするべく、クリニックに通っていた時期もあった。
しかし本格的に漫画家となり、髭面を職場で怒られることも無くなった今。髭剃りの面倒くささを軽減するための投資をする必要もなくなり。

今や私の髭は伸び放題である。
調子に乗っていると言っても差し支えはある。
しかしそれにしたって、ここ二、三ヶ月の髭の伸びようは「したら史」において類を見ない。
そのことは誰であろう、このしたらが保証する。
少々主観的ではあるが、誰よりも私には「したらの歴史」を見守り続けてきた自負がある。異論はなかろう。したくもなかろう。

そんな折り、編集長にこう言われた。
「最近髭伸びてるけど、仙人にでもなるの?」
うろ覚えだが、大体こんなニュアンスのことを言われたと記憶している。

〈瞑想〉などにいそんしんでいる編集長に言われたくはないが。その質問に真正面から応えるのならば、答えはNOである。
仙人にジョブチェンジするつもりは今のところない。

そして後日、漫画家仲間にもこう言われた。
「髭、熊みたいになってるけど」

顎髭からもみあげから口髭から何から何まで繋がっている元ナンパ師の漫画家にそう言われた。

なるほどなるほど
極端に髭を伸ばすという行為には、人のツッコミを誘発する何かがあるらしい。

ちなみに誰も興味はないと思うが。一応、髭を伸ばしている理由は全部で三つある

・めんどくさいから
・シェービング剤が切れてるから
・キアヌリーブスの髭がカッコイイから

以上の3点が主な理由である。
まあ要は、面倒くさいからである。
しかし「そろそろ剃ろうかな」と思い始めている自分もいる。

そして剃るなら、床屋さんで剃ろうと思う。
なんせ気持ち良いから。伸ばしに伸ばした髭を剃る。
もしかしたらこの瞬間のために伸ばしていたのではなかろうかと錯覚するほど。
期待感が日に日に増している。

自らの顔面で育った、漆黒の稲穂は、収穫の時を待っている。
そう思うのだ。
私の髭は自意識と美意識と常識を超えて、伸び続けている。
ひと時のの快楽のために

みんなそれぞれ本棚を持っていて、私も私の本棚を持っています。すでに名作や傑作でいっぱいの本棚に「自分の作品を差し込みたい。」それが私の挑戦です。たくさん作品を生み出して、トライしていきます。助力いただけると嬉しいです。