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ゆめ

目をあけると犬だった。

空を見あげる、雲が流れて、太陽があわく光っている。大地には緑の丘がつづいている。

鼻先を風が通りすぎて、草の匂いと花の香りがする。

おもわず一歩ふみだす。そのまま四足歩行で歩きはじめる。

白い毛並みはところどころ、クリーム色に汚れていて、特に口の両端は茶色くらいに染まっている。

黒い目に黒い鼻、ピンクの耳に舌。

丘をくだってはのぼり、のぼってはくだり。

時には立ちどまり、遠吠えをしてみる。

「オォーン」

ひとつだけ返事がきこえる。

そちらへ向かうと匂いがしてくる、仲間の匂いだ。そこには自分と同じ白い毛並みに四足歩行の獣がひとり。

さらに近づくと、目が合う。尻尾をふって、鼻を擦り付けあって、ひとしきりの挨拶を終える。そしたら今度は二人一緒に駆けていく。


どこまでもどこまでも続く深緑の丘、壊れたストーンヘッジみたいな遺跡を横目に、景色は流れていく。

たまに休憩をして、モグラを食べたり、雨水をのんだり、偶然果実の樹と出会ってはデザートを頬張ったり。

怖いものなど何もない、高台にあがれば景色の先に水平線が見える。

雲と大地の間から、トンビのなく声がする。

その声を合図に2匹は

さらにはしりだす。

競争だ。海へ向かって走っていく。いつまでも、どこまでも続く深緑の丘。走る、走る、走る。景色とだんだん混ざり合って、不思議な感覚、それは全身にひろがっていく。

自らの毛先を超えて、隣を走る獣も超えて、どんどん世界は広がっていく。

もはや境目はない、やがて走っている感覚もなくなって、宙に浮いていることに気づく、ふと下を見ると

そこには幸せそうな白い犬が2匹。

空色の海を眺めながら、緑の丘に4本の足でたっている。風はやさしく、花の香りがする。


https://youtu.be/TjbCw4-67Jo

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絵本マンガを創りたいクリエイター。 親から子へ友人から恋人へ。本棚に飾って嬉し懐かしくなるような作品を皆さんと一緒に創っていきたいです。

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